どんどんとヒートアップしていく『香港の抗議デモ』
そんな中、9月4日香港政府は『逃亡犯条例』の改正案を正式に撤回することを発表しました。
香港行政長官、逃亡犯条例の正式な撤回をきょう表明=報道 https://t.co/NzqcgybsC0
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) September 4, 2019
デモ側の5大要求の1番大きな要求である『逃亡犯条例の改正案の完全撤回』が通ったことでデモは収束に向うのでしょうか?それともまだ残りの4つの要求が通らなければ収束は難しいのでしょうか?
今回香港政府が『逃亡犯条例』の改正案を正式に撤回した経緯と残りの4つの要求を調べてみました。
この記事では
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- 『逃亡犯条例の改正案の完全撤回』の経緯
- 香港の抗議デモ残りの要求
- 香港の抗議デモは収束に向うのか?
について紹介します!
『逃亡犯条例の改正案の完全撤回』の経緯
林鄭月娥(キャリーラム)行政長官が6月半ばに改正作業の延期を発表し、7月上旬には『改正案はすでに死んだ』と表明したことにより事実上の廃案になりました。しかし正式な撤回は拒否したため、デモ隊の一部は空港を一時占拠したり公共物を破壊したりするなど過激化。警官隊も催涙弾を発射したり、デモ隊への暴力行為も指摘されるなど混乱が拡大していました。
3か月前から続く抗議デモ。どんどん過激になり、警察の対応にも疑問がで始めているようです。現在までに重傷者2人、死亡者8人、起訴100人、逮捕者1100人に及んでいます。
また2日から新学期が始まった中学生や高校生が新学期の授業をボイコットして抗議の声を上げています。
【香港デモの現場から】この集会は中高生が主な参加者なんです。ずぶ濡れになりながら、香港の自由を訴える姿。これも今の香港の事実です。 pic.twitter.com/EJZhL7hKFF
— TheFACT (@thefact_tv) September 2, 2019
どんどん状態が悪化するデモ活動を鎮めるため、正式な『逃亡犯条例の改正案の完全撤回』の発表に至ったようですね。
香港の抗議デモ残りの要求とは
しかし、抗議デモ団体は『5大要求は一つも欠かせない』と主張しています。
昨日、大雨の中、170万人が集まりました。
香港市民の5つの要求:
1. 改正案の完全撤回
2. 警察と政府の、市民活動を「暴動」とする見解の撤回
3. デモ参加者の逮捕、起訴の中止
4. 警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施
5. 林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現写真:apple daily, initium media pic.twitter.com/LcgZPP1kQ4
— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) August 19, 2019
『逃亡犯条例』が完全撤回を受け大規模デモを主催してきた民主派団体幹部は、「撤回は良いスタートだが遅きに失した」として、闘争を続行する意思を示しました。3ヶ月にも及ぶ大規模なデモはそう簡単に消息することはないようです。
『逃亡犯条例の改正案の完全撤回』他、残り4大要求事項です。
- 警察と政府の、市民活動を「暴動」とする見解の撤回
- デモ参加者の逮捕、起訴の中止
- 警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施
- 林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現
それぞれ、詳しい内容です。
要求1 警察と政府の、市民活動を「暴動」とする見解の撤回
抗議団体側は
【デモ抗議は市民の抗議活動として認められている権利である】
【暴動を起こしたと捉えるのは間違っている】
と主張しています。
そして、デモ参加者の抗議が暴力化したのではなく、香港警察側が市民に暴力をふるい暴力の力で市民を糾弾しようとしている
と考えているため政府や警察の『抗議活動』を『暴動』と捉える考えの撤回を主張しているのです。
要求2 デモ参加者の逮捕、起訴の中止
2019年9月4日までの香港大規模デモの活動を通してすでに1000人以上の香港市民が逮捕、100人以上が起訴されています。
デモ参加者にとって『抗議活動』なのに逮捕されるのは不当と主張しているのです。
要求3 警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施
デモ隊を鎮圧するために出動した香港警察は、一般市民に対して過激な暴力行為で糾弾しようとし、数え切れないほどのけが人が出ています。
さらにデモ活動に参加していない一般市民にまで危害が及んだこともありました。
昨日、駅内で一般市民を殴る香港警察。 pic.twitter.com/29b7mbaDLJ
— 周庭 Agnes Chow Ting (@chowtingagnes) September 1, 2019
デモ隊を逮捕するため警察はデモ隊のフリをし襲撃しているという話も出て来ています。けが人や死亡者が出ているのは事実ですからしっかりとした調査が必要と主張しているのです。
要求4 林鄭月娥の辞任と民主的選挙の実現
抗議団体は、今回の発端となった逃亡犯条例改正案を強行に推し進めようとした香港政府は退陣するべきと考えています。
・不平等のない民主的な選挙
林鄭月娥(キャリーラム)行政長官は辞任を希望しているとの報道もあり、要求している【香港の平和を乱した元凶として林鄭月娥(キャリーラム)行政長官の辞任】は実現しそうです。
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が先週、実業家グループとの非公開会合で、香港の政治危機を巡り「言い訳のできない大混乱」を引き起こしたとし、選択肢があるなら辞任すると話していたことが分かった。 pic.twitter.com/GGZgU2GAXc
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) September 3, 2019
また、【不平等のない民主的な選挙】については香港の選挙は日本のように直接候補者に投票するという形式ではありませんので選挙制度自体かえなくてはならないのでこの主張が通るのは難しいかもしれません。
香港の抗議デモは収束に向うのか?
5大要求の1つ『逃亡犯条例の改正案の完全撤回』が発表され、林鄭月娥(キャリーラム)行政長官の辞任の噂も出ています。
yahooニュースによりますと香港政府は事実上の改正断念を表明しており、実質的な効果は限られるとのこと。
民主化活動家らのオンラインフォーラムで抗議行動を組織するのにも使われるLIHKGでは、「5つの要求のうち2つに応じると言う。受け入れられるか?」との書き込みに、15分未満の間に415の否定の反応があった。〈出典:Bloomberg〉
香港政府は要求の全てを呑むのは不可能と主張し、抗議団体は全ての要求に応じないと受け入れられないと主張しているので抗議活動が簡単に収束するのは厳しいかもしれませんね。
香港デモの5大要求とは?まとめ
5大要求の1つ『逃亡犯条例改正案の撤回』が発表されましたが、残りの要求全て応じるのは不可能と政府は発言しています。
ただ、要求全てに応じるまでデモは続けると抗議デモ団体は言っているので簡単には収束は難しいかもしれませんね。
ただこのデモで未来ある若者が亡くなったり関係のない一般市民が巻き込まれるのはこれ以上増えて欲しくないですね。